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給食自園調理と外部委託の違いが保育士に与える影響

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保育園での給食は、子どもたちの成長を支えるとても大切な存在です。栄養のバランスはもちろん、「食べる楽しみ」や「食育の時間」としても、日々の保育に欠かせない時間ですよね。そんな給食には、大きく分けて「自園調理」と「外部委託」という2つのスタイルがあります。どちらも一長一短がありますが、実はその違いは、子どもだけでなく、保育士の働き方や日々の関わり方にも大きく影響しているのです。ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリット、そして保育士としてどのように関わり方が変わるのかを紹介していきます。

自園調理の特徴と魅力

自園調理とは、園内にある調理室で栄養士や調理員がその日の給食を手作りするスタイルです。いわば「園の手づくり給食」であり、温かみのある食事が提供されるのが特徴です。保育士から見ても、出来たてのごはんやお味噌汁の香りが園内に広がるのは、とても心地よい瞬間ですよね。

自園調理の一番の魅力は、子どもたちの食の様子に合わせて柔軟に対応できることです。たとえば、「今日は食欲が落ちている子が多いから、少し味を薄めてみよう」「新しい食材を試してみよう」といった細やかな調整が可能です。また、離乳食やアレルギー対応食も、調理員さんと保育士が相談しながら個別に進めることができます。こうした連携が、子ども一人ひとりに寄り添う保育の質を高めてくれるのです。

さらに、自園調理は「食育活動」とも密接に関係しています。たとえば、収穫体験でとれた野菜をその日の給食に使ったり、調理員さんが子どもたちの前で調理を実演したりすることもあります。保育士も一緒に「このお野菜は〇〇組さんが育てたんだよ」と声をかけることで、子どもたちは「自分たちが関わったものを食べる喜び」を実感します。このような体験は、食への興味や感謝の気持ちを育てる貴重な時間になります。

自園調理の保育士への影響

自園調理の保育園では、保育士が給食の時間に関わる範囲が広くなる傾向があります。たとえば、食育活動の企画や、調理員との日々の打ち合わせ、食材や献立に関するちょっとした意見交換などです。ときには、子どもたちが苦手な食材をどうしたら楽しく食べられるかを一緒に考えることもあります。

また、自園調理の園では、調理員さんとのチームワークがとても大切です。調理室と保育室が近いことで、調理員と保育士の間に自然な会話が生まれやすく、「今日は食べっぷりが良かったよ」「〇〇ちゃんは人参が食べられるようになったよ」といった情報共有がスムーズにできます。このような連携が、園全体の温かい雰囲気につながることも多いです。

一方で、自園調理の園では、衛生管理やアレルギー対応などに細心の注意を払う必要があります。場合によっては、保育士も食器の洗浄や配膳の補助を行うことがあり、忙しい時間帯に少し負担を感じることもあるかもしれません。それでも、子どもたちの「おいしい!」の笑顔を間近で見られるのは、自園調理ならではのやりがいといえるでしょう。

外部委託給食の特徴と利点

外部委託とは、専門の給食会社に調理をお願いし、園まで配送してもらうスタイルです。園によっては、外部のセントラルキッチンで作られた食事を温め直して提供するところもあります。忙しい現代社会では、このスタイルを採用する園も増えています。

外部委託の一番のメリットは、保育士や園の職員が調理に関する業務から解放される点です。調理や配膳に人員を割かずに済むため、保育に専念しやすくなります。特に小規模園や人手が限られている園では、外部委託によって職員の負担が大きく減ることがあります。

また、専門業者による給食は、栄養バランスがしっかり計算されており、衛生面でも徹底した管理が行われています。アレルギー対応もマニュアル化されていることが多く、保育士としても安心して子どもに提供できるというメリットがあります。

さらに、外部委託の給食は、季節ごとのメニューや見た目の彩りにも工夫があり、子どもたちが「今日の給食はなにかな?」とワクワクする楽しみもあります。保育士としても、食事の時間を楽しむサポートに集中できるという利点があります。

外部委託の保育士への影響

外部委託の園では、給食業務に関わる負担が少ない分、保育士の仕事の中心はあくまで「子どもと向き合う保育」にシフトします。忙しい朝の時間帯に調理室とのやりとりが不要になり、子どもたちの受け入れや保育準備にゆとりが生まれるのは大きなメリットです。

ただし、外部委託では、調理員が常駐していないため、食育活動の幅がやや限られてしまう場合もあります。「食べる」ことを通して学ぶ機会を保育の中に取り入れるには、保育士自身が工夫して企画を考える必要があります。たとえば、紙芝居で食材の話をしたり、園庭で簡単な栽培体験をしたりするなど、保育士が主体的に工夫を凝らす場面が増えるのです。

また、アレルギー対応や食べ残しへの対応など、外部委託では融通がきかないこともあります。献立の変更が難しいため、個々の子どもの状態に応じた柔軟な対応がしにくいこともあり、保育士がその橋渡し役として、業者との調整にまわることも少なくありません。

保育士として感じる違いと向き合い方

自園調理と外部委託、どちらにも魅力と課題があります。自園調理では「温かみ」や「連携のしやすさ」が魅力であり、保育士が子どもたちの食と深く関われるのが特徴です。一方、外部委託では「効率性」や「専門性」が魅力で、保育士が本来の保育に専念しやすい環境が整います。

大切なのは、どちらの形であっても、「子どもにとって安心で楽しい食事の時間」をつくることです。保育士の役割は、調理方法の違いに関わらず、子どもたちの食べる意欲を育て、食への興味を広げることにあります。たとえば、自園調理では調理員との連携を深め、外部委託では業者とのコミュニケーションを丁寧に行うことで、よりよい環境を築くことができます。

また、どちらのスタイルでも「食事を楽しむ時間」を大切にする気持ちは共通です。保育士自身が食を楽しむ姿勢を見せることで、子どもたちにもその喜びが自然と伝わっていきます。

まとめ

給食のあり方は園によってさまざまですが、その根底にあるのは「子どもの健やかな成長を願う思い」です。自園調理では温もりのある関わりを、外部委託では効率的で安定した提供を通じて、保育士はそれぞれの環境で食育を支えています。保育士としての働き方も、給食スタイルによって少しずつ変わりますが、どちらにも「子どもたちの笑顔を育てる力」があります。食を通して心を育てる―そんな保育の魅力を、日々感じながら働けるのが、保育士という仕事の素敵なところです。

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ぴよち
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本サイトの管理人
保育士として10年以上の経験があります。正社員として公立保育園で5年勤務した後、結婚を機に私立保育園へ転職し3年勤務。出産を経てパートとして3年間保育園で働きながら、家庭との両立を経験しました。現在は、保育士のキャリア支援に携わっています。現場経験と家庭との両立経験を活かし、保育士の皆さんに寄り添った情報を発信しています。
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